ER看護科

科長 蛭田昭子

 

1.ビジョン

 救命救急センターER職員として、職場内教育システムを強化し、安全で安心な看護の質を担保し、最良の看護が提供できる。

  1. 救命救急センターで働きたい看護師の確保。
    (ER単独の看護師募集活動を実践する)
  2. 若手看護師が学べる環境作り。
    • 段階別に沿った教育計画の見直し
    • 定期的な勉強会開催
    • 業務終了後の振返りの実施
    • 症例発表会(ケーススタディ)の開催
    • お互いの看護観を知るナラティブ発表会を開催
  3. トリアージ能力及び院内トリアージの質について評価指標を決め、定期的に分析を行い、質の向上に努める。アセスメント能力をさらに養い、緊急度の高い患者を選別し医師へ報告する。また、疾患に対する知識を深め実践力を養う。
  4. 救命救急センター受診患者の安全について、センター職員全員の意識向上を図るため、スクリーニング実施率を定期的に評価、分析し転倒転落の軽減に努める。
  5. 救急認定看護師の育成を図る。

 

2.サービス内容

 2002年3月に屋上ヘリポート直結型相澤ERを開設。2005年に長野県初の中信地区新型救命救急センターに指定を受け、平成20年3月より三次医療圏からの救急要請に対応するため「相澤モービールERシステム」を運用。24時間365日、北米型ERのスタイルを取り、一次から三次までの救急患者を受け入れ、年間ウォークイン患者は約40000人、救急車7000台・ヘリ140機の受け入れを行っている。松本二次医療圏の二次救急輪番制も対応し、月曜・水曜・金曜・第2日曜・第4、5土曜当番対応を実施している。

「依頼に対して100%受け入れ、断らない。」ことが救命救急センターとしての使命

  1. 通常の診療時間外の傷病者及び緊急的に医療を必要とする傷病者。
  2. 発症が通常の診療時間外であればすべて救急患者とする。
  3. 通常の診療時間内であっても、発症後間もない又は経過の速い変化・及び急激な変化を伴う傷病者は救急患者とする(紹介患者も同様)。

 このような救急患者に対して、受付順番ではなく、緊急度の高い患者をより早く診療できるよう、緊急度判定(トリアージ)を実施している。まず迅速に・的確に緊急度判定(トリアージの実践)を行い、その判定に基づいて優先度に合わせて必要な初期治療を速やかに行なう。

  1. ウォークイン患者トリアージ緊急度の判別
  2. 軽症者から重症者、内因性・外因性全ての来院患者対応と処置
  3. 緊急手術・心臓血管内カテーテル・内視鏡治療入室までの対応
  4. モービルER・ドクターカーによる院外救急患者対応
  5. ウォークイン・救急車・ヘリコプター等受診方法を特定しない受け入れ

 

3.構成・提供体制

看護師29名 (内パート10名)

看護師:2交替制勤務

  • 日勤:8:30~17:10
  • 夜勤:17:00~8:45
  • 遅番:12:30~21:10

 

<資格>

AHA BLSプロバイダー27名、AHA ACLSプロバイダー8名、

ICLS プロバイダー21名・インストラクター5名、

AHA PALSプロバイダー2名、NCPRプロバイダー2名、

JPTECプロバイダー7名・インストラクター2名、JNTECプロバイダー10名・インストラクター1名、

JTASプロバイダー20名・インストラクター2名、BLSOプロバイダー4名、

FCCSプロバイダーコース1名、医療安全管理者養成講習会終了1名・アドバンスコース2名、感染制御講習会終了2名、

トリアージナース育成研修会日本救急看護学会トリアージナース認定3名・インストラクター1名、長野県DMAT3名、日本DMAT1名

 

4.実績 

主要項目

2015年度実績

(2015.4~2016.3月)

ウォークイン受診者総数

37092

トリアージ実施率

99.9%

ウォークイン受診者入院者数

3856

ウォークイン入院率

10.4%

 

5.学術・研修

<学会発表>

武藤真美香.トリアージ開始による急性心筋梗塞患者のPCI入室までの時間短縮について.

第65回日本病院学会,2015年6月19日,長野県軽井沢町

大澤千恵美.救命救急センターでの手術前の絶飲食への取り組み

第65回の本病院学会,2015年6月19日,長野県軽井沢町

武藤真美香,齋藤雅樹,蛭田昭子.ACS症例のPCI入室までの時間短縮とトリアージの有効性について.

第31回甲信救急集中治療セミナー,2015年7月4日,キッセイ文化ホール