消化器内科

統括医長 山本智清

 

1.ビジョン

「常に良質な医療を志向し、機能的で活力のある、かつ持続可能なチーム医療を行う」

 診療は、日常の検査業務に加え緊急・救急の消化器内視鏡検査・処置に対応できる体制の整備。

 消化器Cancer Boardや消化器内科カンファレンスといった医師間のみのカンファレンスだけでなく、病棟カンファレンスで医師と他のコメディカル職員間での情報共有を推進し、個々の症例に対して最善の医療を検討し、提供する。

 臨床指標・ベンチマークの活用に関しては、医療の質担保だけでなく、今後の積極的診療展開を戦略的に行うためにより効率的に行えるシステムを確立する。

 

2.サービス内容

 消化器疾患の外来診療および、消化器疾患と一般内科疾患の入院診療を行っている。

 入院診療に関しては、新規入院患者の治療方針確認を毎日昼のカンファレンスで必ず行っており、またチーム制を採用しており、3チームを擁する。

 チームの構成は 主治医権を有する医師(関連学会の指導医資格保持者)をチーフとし、スタッフ医師(関連学会の専門医資格保持者)と後期研修医の3名である。

 また、チーム単位で毎週多職種参加のカンファレンスを行っている。消化器領域の予定治療症例については、術前カンファレンスを内視鏡センターのコメディカルと毎週行い、情報の共有に努めている。また、緊急処置を要する消化器疾患に関しては常時医師2名体制でのオンコールとし、ERからの診療要請に応えられるようにしている。

 当科の診療内容は消化器領域全般にわたっており、消化性潰瘍に対する内視鏡的止血術やヘリコバクターピロリ除菌療法をはじめとし、ダブルバルーン小腸内視鏡を用いての小腸ポリープ切除や、消化管再建手術後症例のERCP、炎症性腸疾患に対する抗TNF-α製剤、顆粒球除去療法など、本邦で行われている消化器関連の治療のほぼすべてを網羅している。また、当科でおこなわれる治療としては消化器内視鏡センター内で行われる内視鏡下での治療が多いが、内視鏡治療だけでなく、がん集学治療センター内で、胃癌や膵癌、肝胆道系悪性疾患に対する化学療法も行っている(有害事象が強いレジュメについては、がん集学センター専属医師に依頼している)。

 

3.構成・提供体制 (2015年4月時点)

消化器内科  医師数 12名

(センター長 2名、統括医長 1名、副センター長 1名、医長 2名、医師 5名、後期研修医 2名)

<院外資格>

日本消化器病学会指導医:2名

日本消化器病学会専門医:6名

日本消化器内視鏡学会指導医:3名

日本消化器内視鏡学会専門医:5名

日本肝臓学会専門医:1名

<院内資格>

主治医資格:5名

画像一次読影資格:7名

麻薬処方資格:6名

抗悪性腫瘍剤処方資格:6名

鎮静資格:6名

<外来体制>

月曜日~金曜日の外来診療

<入院体制>

主には3S病棟(61床)

内視鏡センターにおける消化器内視鏡を用いた診療

ERおよび、各診療科からのオンコールへの対応オンコール体制

 

新規入院カンファレンス・・・平日昼(毎日)

内視鏡-病理 合同カンファレンス 毎水曜朝

病棟他職種カンファレンス(各チーム毎 1回/週)

消化器Cancer Board 毎木曜朝

消化器内科カンファレンス 毎金曜日

内科合同カンファレンス 毎月曜日

CTC 読影カンファレンス 毎月曜夕

ESD 術後ビデオカンファレンス・・・水曜夜(Trainee先発症例)

 

4.主要設備・機器

<主要設備>

利用病床:3S病棟(61病床: 病棟再編により49床)

外来診察室2室  内視鏡センター内診察室1室

消化器内視鏡室:6室 内視鏡センター 回復室 4床内視鏡センター透視室:2室

放射線科透視室:1室

<主要機器>

病棟用超音波検査装置 :2台

内視鏡センター機器

 

5.実績

消化器内科(内視鏡含む)

外来新患患者 1789名、再来患者10445名

入院患者数 2396名(在宅復帰率 89.7%)

 

大腸CT(CT colonography) 読影  84件/年

当院で管理している炎症性腸疾患患者は潰瘍性大腸炎約180名、クローン病約30名である。

当科で施行した化学療法は44名(GIST、胃癌、肝癌、食道癌、胆管癌、胆嚢癌、膵臓癌)

 

内視鏡検査

上部消化管内視鏡 20160件、下部消化管内視鏡 5113件、ERCP 354件

 

6.学術・研修

<学会発表>

(五十嵐 亨、山本 智清、横澤 秀一)

胆管深部挿管困難例に対するナイフ部に折癖をつけたガイドワイヤー式パピロトームによるprecutting 

2015年10月 日本消化器病関連学会週間(JDDW) 2015、東京都

(西条 勇哉、横澤 秀一、山本 智清)

当院にて診断しえた胃型腺腫9例の検討

2015 年10月 日本消化器病関連学会週間(JDDW) 2015、東京都

(杉井 絹子、山本 智清、手島 憲一)

京都胃炎分類項目で胃癌リスクとなる内視鏡所見の検討

2015年10月 日本消化器病関連学会週間(JDDW) 2015、東京都

(山本 智清、手島 憲一、五十嵐 亨)

直腸NETの治療指針についての検討

2015年10月 日本消化器病関連学会週間(JDDW) 2015、東京都

(安東 直人、五十嵐 亨)

直腸癌術後吻合部狭窄による閉塞性大腸炎穿孔の1例

2015年6月 消化器病学会甲信越支部例会、松本市

(神谷 圭祐、細川 洋、山本 智清)

播種性血管内凝固症候群をきたした退形成性膵癌の1剖検例

2015年6月 消化器病学会甲信越支部例会、松本市

(雄山 澄華、山本 智清、薄田 誠一)

膵腺扁平上皮癌の十二指腸浸潤による出血に対し,コイル塞栓術にて止血し得た1 例

2015年11月 消化器病学会甲信越支部例会、松本市