病理診断科

統括医長　樋口佳代子

1．ビジョン

　病理診断科は検査科病理検査と共同して病理検査が提供する医療サービスの持続的な質の改善を図るとともに、病理診断が診療に有効に生かされているかをモニタリングし、問題症例について臨床側にフィードバックする。

• より迅速な検査結果報告をおこなう
  細胞診4日以内、生検3日（至急）－4日以内、手術材料9日以内、病理解剖3ヶ月以内をめざす

• 病理組織診断について全例ダブルチェックをおこない診断の精度をあげる
• 診断の根拠となった代表的顕微鏡画像を臨床側に提供する。
• 画像情報を含めた病理診断情報が診療に有効に利用されるようなモニタリングおよびフィードバックシステムを構築する。

2．サービス内容

• 組織診断（原則生検3-4日以内、手術材料原則10日以内に報告）
  専門医コース医師の診断、非常勤医師の診断は常勤上級医2名が全例診断のダブル　チェックをおこなう

• 細胞診断（6日以内に報告）
• 術中迅速診断（原則30分以内に報告）
• 病理解剖（脳解剖をのぞいて3ヶ月以内に報告）
• 各種免疫染色と評価
• 各種遺伝子検査用病理検体の提供
• 患者紹介用病理組織切片作製･提供
• 多職種合同カンファレンスでの病理情報フィードバックによるチーム医療への貢献
• 解剖CPCを通じての研修医をはじめとする医療従事者の教育への貢献
• 病理情報提供による医療従事者への学術活動支援
• 病理診断に関するコンサルテーション業務

3．構成・提供体制

常勤医4名　

＜院外資格＞

病理専門医3名、細胞診専門医3名、国際細胞病理医1名、臨床検査管理医2名

＜提供体制＞

医師　3名週5日勤務（月～金）(うち1名週1日外勤)、1名週4日勤務（月～木）

4． 設備・機器

ホルマリン換気装置、標本撮影装置、自動包埋装置、サクラ自動染色装置、クリオスタット、自動免疫染色装置、ディスカッション顕微鏡、診断用顕微鏡、パソコン７台、顕微鏡画像撮影装置2台、バーチャルスライド作製装置、バーチャル画像解析装置、解剖標本撮影装置、解剖台、吸引装置

5．実績

6．学術・研修

＜学会発表＞

樋口佳代子．免疫染色にてミスマッチ修復蛋白発現低下を認めなかったLynch症候群の一例．

第104回日本病理学会総会，名古屋，5.30　

樋口佳代子．乳腺相似分泌癌（MASC)の細胞像のvariation．

第56回日本臨床細胞学会総会（春期大会），島根，6.14

小豆畑康児．CMPTの一例．

第75回日本病理学会中部支部交見会，松本，7.4

樋口佳代子．シンポジウム 乳腺相似分泌癌（MASC)の細胞像と鑑別診断．

第54回日本臨床細胞学会秋期大会，名古屋，11.22

＜講演・講師＞

樋口佳代子．市中病院における大腸癌患者のリンチ症候群スクリーニングの試み．

第31回中信がんセミナー，松本，2.5

樋口佳代子．特別講演II　唾液腺の細胞診－組織診との対比－．

第30回山梨臨床細胞学会学術集会，甲府，2.6

伊藤信夫．教育講演II　胆嚢炎を極める－病理と超音波の接点－．

第5回超音波に親しむ会，松本，3.5

＜国際学会参加＞

樋口佳代子．2016 USCAP(米国カナダ病理学会議)

Consensus meeting for Milan system( a reporting system for FNA of salivary glands )

＜論文＞

Insulin-Like Growth Factor II mRNA-Binding Protein 3 (IMP3) as a Useful Immunohistochemical Marker for the Diagnosis of Adenocarcinoma of Small Intestine.

Daikuhara S, Uehara T, Higuchi K, Hosaka N, Iwaya M, Maruyama Y, Matsuda K, Arakura N, Tanaka E, Ota H.

Acta Histochem Cytochem. 2015 Dec 25;48(6):193-204.

Decreased expression of gastric gland mucin-specific glycan α1,4-linked N-acetylglucosamine on its scaffold mucin 6 is associated with malignant potential of pyloric gland adenoma of the stomach.

Yamanoi K, Sekine S, Higuchi K, Kushima R, Nakayama J.

Histopathology. 2015 Dec;67(6):898-904.

Characterization of mammary analogue secretory carcinoma of the salivary gland: discrimination from its mimics by the presence of the ETV6-NTRK3 translocation and novel surrogate markers.

Urano M, Nagao T, Miyabe S, Ishibashi K, Higuchi K, Kuroda M.

Hum Pathol. 2015 Jan;46(1):94-103.

＜著書＞

樋口佳代子．

多形腺腫 腫瘍病理鑑別アトラス刊行委員会監修　腫瘍病理鑑別診断アトラス　頭頸部腫瘍〈1〉　唾液腺腫瘍　文光堂　東京　2015　pp119-127.

穿刺吸引細胞診の意義　腫瘍病理鑑別アトラス刊行委員会監修　腫瘍病理鑑別診断アトラス　頭頸部腫瘍〈1〉　唾液腺腫瘍　文光堂　東京　2015　pp223-230.　

樋口佳代子

唾液腺（多形腺腫　腺房細胞癌　乳腺類似分泌癌）　益社団法人日本臨床細胞学会編　細胞診ガイドライン5　消化器　金原出版株式会社　東京　2015　pp81-150.

＜その他学会活動＞

樋口佳代子　長野県臨床細胞学会会長

樋口佳代子　第75回日本病理学会中部支部交見会会長 7.4