透析予防診療チーム

リーダー 山内恵史

 

1.目的

 原疾患が糖尿病腎症による透析導入を抑制するために、医師・看護師・管理栄養士・理学療法士・薬剤師・臨床検査技師が連携する「チーム医療」を外来通院している糖尿病患者に対して行い、「予防診療」に繋げる。

 

2.構成

担当

氏名

職種

備考

リーダー

山内恵史

医師

糖尿病透析予防指導管理料 専任医師(以下専任医師)

サブリーダー

石津美紀

看護師

当該加算専任看護師(以下専任看護師)

マネージャー

矢野目英樹

管理栄養士

当該加算専任管理栄養士(以下専任管理栄養士)

メンバー

相澤徹

医師

 

高須信行

医師

専任医師

佐藤友香

医師

専任医師

中曽根泰人

医師

 

宮腰隆弘

医師

 

小口智雅

医師

専任医師

宮本高秀

医師

専任医師

佐々木紀代子

看護師

専任看護師

大塚美保

看護師

専任看護師

植木博子

看護師

専任看護師

小澤きよみ

看護師

 

中村ゆかり

看護師

専任看護師

上條しのぶ

看護師

専任看護師

丸山貴代

看護師

専任看護師

高山政幸

臨床検査技師

 

文沢靖

理学療法士

 

小山貴夫

薬剤師

 

髙見由理

薬剤師

 

伊藤隆哉

薬剤師

 

笠原承子

管理栄養士

専任管理栄養士

川嶋七絵

管理栄養士

専任管理栄養士

上條若奈

管理栄養士

専任管理栄養士

髙林祐美子

管理栄養士

専任管理栄養士

粟津原愉佑子

管理栄養士

専任管理栄養士

 

3.活動内容・実績

 透析予防指導管理(透析予防)がeGFRの変化率に与えた影響を解析した。

対象と方法:糖尿病治療している腎症2~4期の254名(男女比175/79、平均年齢59±13歳、HbA1c 8.0±3.6%、eGFR65.9±23.6ml/min)の患者を対象とした。原則として定められた形式で透析予防を実施した患者を最長42ヶ月追跡。1)主治医が患者別に設定したHbA1c、収縮期血圧の治療目標を達成した群を達成群、達成できなかった群を非達成群とし、eGFRの経時的な変化率を比較。2)介入後6ヶ月、12ヶ月後の時点で、HbA1c変化率(%basal)、収縮期血圧変化率、BMI変化率、とeGFR変化率の相関を解析。3)末期腎不全への移行率を解析。

結果と考察:HbA1c目標達成群120名のeGFR回帰式はy=54.6-0.19x(yはeGFR、xは月)、xの95%CI -0.32~-0.05、非達成群128名のeGFR回帰式はy=78.8-0.40x、xの95%CI -0.62~-0.17、収縮期血圧目標値達成群204名のeGFR回帰式はy=63.1-0.61x、xの95%CI -0.90~-0.32、非達成群43名のeGFR回帰式はy=65.4-0.007 x、で、最後の群のみ、eGFRの有意な経年低下なし。HbA1c目標値達成群でもeGFR低下率は年率に換算すると既報の日本人2型DM患者のeGFR低下(年1.8-4.1ml/min)とほぼ同等であった。介入半年後の時点でのSBP、HbA1c、BMI変化率とeGFR変化率の相関は、HbA1cとeGFRの間に負の有意相関を認めたのみで、他の相関は有意でなかった。介入1年後では、HbA1cの変化率も含めてすべての項目の変化率とeGFR変化率との間に相関なし。介入後末期腎不全へ移行した患者は、254名中4名(1.6%)、介入月数は15±13月。この移行率(年1.3%)は既報のCKDから末期腎不全への移行率とほぼ同等であった。

結論:透析予防の介入ではHbA1cの改善がeGFRの低下を緩徐にする可能性があると思わる。しかし、収縮期血圧、BMIについてはそうした関係性は認められなかった。末期腎不全への移行率も含めて、より長期の観察、解析が必要と思われる。