緩和ケア科
統括医長 野池輝匡
1.ビジョン
急性期病院のがん集学治療センターとして、がん治療の専門性をさらに高めるとともに、患者の希望に沿った集学的治療を提供する。基本的な姿勢として、医療者と患者との間には様々な格差があることを認識して専門性を発揮することが重要となる。シェアードディシジョンメーキングを念頭に置き、患者とともに治療の方向性を決めていく。3~5年後には、エビデンスに基づき、がん診療に携わる医師に求められる基礎的な緩和ケアが提供できるようになっている、というのが理想的と考える。
2.サービス内容
がん集学治療センター・病棟における臨床業務
- 患者診察
- 緩和ケア科の診療は基本的にコンサルテーション型である。依頼科主治医とともに症状緩和をめざす。
- 患者・家族への病状説明、治療内容の説明。対象のがん腫は肺がん、食道がん、胃がん、大腸がん、膵臓がん、肝臓がん、腎がん、前立腺がん、乳がんなどがある。非がん疾患は増加傾向にある。
- 医療用麻薬、鎮痛補助薬を必要とする場合が少なくないので、麻薬をはじめとした専門的な薬剤の使い分け、量の調整を行う。
- 入院患者には緩和ケアチームの関わりを持ちながら、適切な病状、病態のアセスメントとマネジメントを行う。
- 患者家族にどの程度の苦痛があって、緩和ケア科外来での治療により改善している客観的に判断するという指標を定めている(STAS日本語版)。
- 医療者への緩和ケアの普及啓発に努める必要があると考えている。週1回チームカンファレンス(医師、看護師、栄養士、臨床心理士、リハビリ、薬剤師、MSW、鍼灸師などによる)を行い、アセスメント、マネジメントの方向性を定め、その内容は担当医、看護師にフィードバックさせる。
- 臓器別Cancer Board等により集学的治療が適応とされた患者を対象にケアプランを作成し、提供する。
- がん患者・家族支援センターにてがんに関わる様々な相談に対して対応する。
- 地域住民および地域の医療従事者にがんの啓発活動を実施する。
3.構成・提供体制
医師1名
<院外資格>
医師免許 1名、日本外科学会認定登録医 1名、日本がん治療認定医機構がん治療認定医 1名、日本緩和医療学会暫定指導医 1名、BLS修了 1名、ACLS修了 1名、ICLS修了 1名、日本緩和医療学会緩和ケア研修会指導者・企画責任者 1名、日本サイコオンコロジ学会コミュニケーション技術研修会認定ファシリテーター 1名
<院内資格>
主治医資格1名、画像一次読影資格1名、CT/MRI一次読影資格1名、抗悪性腫瘍剤処方資格(がん治療領域)1名、麻薬処方資格1名、鎮静資格1名、CVC認定医資格1名、特殊治療薬処方資格1名
4.主要設備・機器
診察室 1
主要機器
システム端末 1
プリンター 1
ポータブル超音波診断装置 1
5.実績
外来診察のべ診察数(人)
年度 |
4月 |
5月 |
6月 |
7月 |
8月 |
9月 |
10月 |
11月 |
12月 |
1月 |
2月 |
3月 |
計 |
2013 |
3 |
10 |
7 |
8 |
9 |
16 |
16 |
8 |
8 |
13 |
14 |
14 |
126 |
2014 |
17 |
21 |
15 |
17 |
9 |
19 |
18 |
13 |
20 |
20 |
21 |
28 |
218 |
2015 |
13 |
17 |
15 |
13 |
13 |
11 |
16 |
15 |
15 |
13 |
15 |
14 |
170 |
6.学術・研修
<学会発表、参加>
- 野池輝匡、塩原麻衣、高木洋明、患者の意志決定を支えるためチーム医療に必要とされる心構えとはなにか、日本緩和医療学会学術大会、2015年6月、横浜市
- 日本サイコオンコロジー学会総会参加、2015年9月、広島市
- 夏期集中 生命・医療倫理セミナー基礎コース受講、2015年9月、東京都
- 生命・医療倫理セミナー 応用コースB 臨床倫理受講、2016年2月、東京都
- がんのリハビリテーション研修会受講、2015年3月、高槻市
<研修会ファシリテーター>
- 上伊那緩和ケア研修会、2015年7月、伊那市
- 緩和ケア研修会 in 信州大学附属病院、2015年9月、松本市
- 佐久緩和ケア研修会、2015年10月、佐久市
- 中信緩和ケア研修会、企画責任者、2015年10月、松本市
- 中信緩和ケア研修会、企画責任者、2016年3月、松本市