形成外科
統括医長 菊池二郎
1.ビジョン
形成外科が目指すチーム医療としての救急医療とは、多発外傷などの致死性外傷や重症軟部組織感染症(ガス壊疽、壊死性筋膜炎、糖尿病性壊疽、下肢虚血による壊疽など)に対して、多くの治療スタッフが短時間で積極的な治療に踏み込まないと救命できない場面で救急医や集中治療医がコマンダーとなり提供する医療である。当科は、組織損傷や組織欠損に対する緊急処置、感染した軟部組織の緊急処置を行い、全身状態の安定化に寄与する。各科、各職種とのカンファを行い、コミュニケーションを良好にして、多職種による効果的なチーム医療を推進する。また、治療後の振り返りから、経験を共有し、疾患に対する共通認識を作り、相澤病院の救急医療(致死性外傷や重症軟部組織感染症)の標準化をおこなう。その後、その検証を行い、修正を加える。学会発表をおこない、院外での議論を経て、さらに修正する。
急性期中核病院として期待される医療は、チーム医療によるアプローチが必要で、入院管理が必要な疾患に対する医療と、手術が必要な疾患に対する医療である。形成外科としては具体的には、顔面骨骨折、皮膚軟部組織腫瘍、皮膚軟部組織損傷欠損・損傷、特に下肢の難治性潰瘍、虚血性組織損傷・壊疽、糖尿病性病変は多科(血管外科、循環器内科、腎臓内科、糖尿病内科、リハビリ科)との協働が必要で、その院内マネージメントを当科で担う。また、顔面を中心とした軟部組織損傷はERを受診することが多く、救急医だけではなく、他科からの応援医、研修医でも初期治療が行えるように、標準化、マニュアル化を行う。その後、その検証を行い、修正を加える。学会発表をおこない、院外での議論を経て、さらに修正する。
チーム医療の質を担保するため、カンファレンスの出席率、コミュニケーションの有効性(規程や運用の遵守率)をモニターし、改善策を立案、実行する。
経営の質を担保するため、DPC入院期間Ⅱ以内の退院率をモニターし、改善策を立案、実行する。
2.サービス内容
形成外科が対象とする疾患
- 外傷
顔面や頭頚部、四肢の挫創・切創・挫滅創・組織欠損創・刺創、動物咬傷、皮下血腫、異物残留、熱傷、顔面骨骨折- 腫瘍
良性皮膚皮下腫瘍、悪性皮膚腫瘍(悪性黒色腫を除く)、良性軟部組織腫瘍、リンパ節腫脹(診断のための生検)- 感染症
感染性皮膚皮下腫瘍、蜂窩織炎、爪周囲炎、陥入爪、ガス壊疽、壊死性筋膜炎、皮膚感染を主体とした敗血症- 退行性病変
下肢循環不全に伴う皮膚潰瘍や壊疽、褥瘡、糖尿病性壊疽、放射線潰瘍、難治性潰瘍、ケロイド、肥厚性瘢痕、眼瞼下垂症- 先天奇形
耳瘻孔、耳介変形、毛巣洞- 腫瘍切除後
腹壁瘢痕ヘルニア、腹壁再建、胸壁再建、乳房再建、組織欠損の修復
多職種病棟カンファレンス、形成外科術前検討会を行っている。
褥瘡回診を行っている。
休日のERで、予約制外来を行っている。
平日のER準夜、休日のER日勤に協力している。
相澤東病院の当直に協力している。
3.構成・提供体制
常勤医師2名、非常勤医師5名
<資格>
日本形成外科学会専門医 5名、日本創傷外科学会専門医 1名、
日本形成外科学会皮膚腫瘍外科分野指導医 1名、
日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会
乳房再建用エキスパンダー責任医師 1名
乳房再建用エキスパンダー実施医師 1名
JPTECインストラクター 1名
臨床研修指導医 3名
高齢者医療研修会受講者 1名
<施設基準>
日本形成外科学会教育関連施設
乳房再建用エキスパンダー実施施設
<院内資格>
主治医資格 2名
麻薬処方資格 2名
CVC認定資格
エピペン注射処方資格
4.設備・機器
<主要設備>
3C病棟ベッド 6床、外来診察室 2室、外来処置室 1室
<主要機器>
電動昇降ベッド 3台、天井吊り下げ無影灯 1台、移動式無影灯 2台
5.実績
月 |
4 |
5 |
6 |
7 |
8 |
9 |
10 |
11 |
12 |
1 |
2 |
3 |
計 |
入院患者数 |
13 |
17 |
21 |
26 |
21 |
13 |
15 |
16 |
17 |
24 |
16 |
24 |
223 |
初診患者数 |
126 |
143 |
127 |
148 |
132 |
124 |
99 |
116 |
134 |
133 |
90 |
115 |
1487 |
休日ER患者数 |
47 |
96 |
46 |
80 |
75 |
55 |
49 |
60 |
61 |
67 |
28 |
50 |
714 |
手術件数 |
19 |
18 |
33 |
27 |
25 |
14 |
22 |
27 |
24 |
21 |
21 |
22 |
273 |
内)全麻 |
2 |
4 |
6 |
3 |
9 |
3 |
3 |
4 |
3 |
9 |
9 |
10 |
65 |
内)局麻 |
17 |
14 |
27 |
24 |
16 |
11 |
19 |
23 |
21 |
12 |
12 |
12 |
207 |
6.学術・研修
<学会発表>
菊池二郎,柳田卓也,西海智子、小口智雅、白鳥勝子、
カルシフィラキシスの2例
信州形成外科学会第75回例会,2017年12月16日,長野県長野市.