腎臓病・透析センター
センター長 小口智雅
1．ビジョン
- 腎臓病や透析に関わる診療や看護で、他施設では対応できない患者を受け入れられる知識と技量を持つ。症例数の多いバスキュラーアクセス関連の手術やインターベンション治療をはじめ、要請には迅速に対応し、地域の中心的存在となる。
- 入院診療においてはDPC制度を意識し、入院期間や合併症のモニタリングの結果を踏まえ、効率が良くて、独善的でない医療を目指す。
- 認知度やADLが低下している高齢者には、特に安全対策を施して透析医療をおこなう。院内外のさまざまな職種や機関と連携して介護体制を構築し、通院手段を確保する。本人や家族の気持ちに寄り添い、延命目的だけの透析にならないように配慮する。
- 災害時の県透析基幹病院として災害時マニュアルの整備と周知をおこなう。不測の事態に備えるため、防災設備や備蓄の点検、防災訓練や情報伝達訓練を定期的におこなう。
- 透析液の清浄化については、超純水を維持することを水質管理の目標とし、透析機器のハード面からも、透析患者のQOL改善や寿命延伸に貢献する。将来、オンラインＨＤＦをおこなうための設備更新を計画的にすすめる。
2．内容構成・提供体制
＜腎臓内科外来＞
- 外来診療 平日（月・火・水・木・金曜日）9：00～12：00（必要時延長）
平日（火曜日のみ 腹膜透析専門外来）13：00～17：00（必要時延長）- 腎臓病外来担当看護師 5名（透析センター兼務）
＜透析センター＞
- 外来透析
月曜日～土曜日 2クール体制（月・水・金曜日のみ一部変則3クール）
1クール目 透析開始時間 9：20～
2クール目 透析開始時間 月・水・金 17：00～
火・木・土 15：00～
※（月・水・金曜日昼間のみ 一部変則2クール稼動：8：00～ 13：30～）- 入院透析
月曜日～土曜日 9：30～17：15（必要時夜間透析実施）- 緊急透析患者受け入れ（24時間体制）
- 臨時透析患者受け入れ
- スタッフ勤務体制
平常の各時間帯は当番制
平日夜間・日曜日は宅直待機体制にて緊急対応
＜病棟＞
主に4S病棟にて入院診療
3．主要設備・機器
腎臓病外来診察室 2室、透析機械室 1室、検査室 1室、指導室 1室
DU室 1室、器財庫 1室、倉庫 3室、看護用具庫 1室、患者用更衣室 2室
外来透析患者談話室 1室
血液透析装置 72台、透析用大型装置 6台、血液透析用ベッド数 70床
超音波診断装置 1台、Na、K測定器1台、除細動器 1台、体重計 4台
血圧計（健太郎） 2台、スケールベッド 1台、心電図モニター 5台
自動血圧計 7台
4．実績
外来血液透析患者（年度末）191名、外来透析28,954件、入院透析2,752件、出張透析（ICUなど）40件、腹膜透析患者（年度末）3名、新規血液透析導入患者49名、そのほかの血液浄化療法38名＊ 腎生検13名＊＊、新入院患者386名、腎外来新患289名、再診3109名、シャント関連手術170件（うち、人工血管移植術46件）、経皮的血管形成術321件、カフ型透析用カテーテル留置51件
＊2017度その他の血液浄化療法38名の内訳：持続血液濾過透析12名（45日）、エンドトキシン吸着3名（4回）、血漿交換1名（4回）、免疫吸着5名（7回）、顆粒球吸着1名（5回）、腹水濾過濃縮再静注16名（80回）
＊＊2017年度腎生検13名の内訳：IgA腎症6例、半月体形成性糸球体腎炎2例、分節性病変（巣状糸球体硬化症を含む）1例、アミロイド腎1例、ループス腎炎１例、糖尿病性糸球体硬化症1例、間質性腎炎１例
5．学術・研修
＜論文＞
小口智雅 当院におけるカフ型透析用カテーテルの使用状況と開存率
長野県透析研究会誌 vol.40 no.1，2017
宮島誠 当院における防災計画（災害時対応）の整備と現状
長野県透析研究会誌 vol.40 no.1，2017
白鳥勝子 上腕動脈表在化の返血として作成した上腕尺側皮静脈内シャント
アクセス 腎と透析vol.83別冊；106-107，2017
小口智雅 動脈側流出路がＺ字のＡＶＧ（肘部ＡＶＦを利用してＶＡ再建した３症例）
アクセス 腎と透析vol.83別冊；106-107，2017
＜学会発表＞
小口智雅 急速に腎機能や身体機能が低下した高血圧性腎硬化症の剖検所見
第24回信州腎不全談話会 2017年4月22日 松本市
小口智雅 急速に腎機能や身体機能が低下し、剖検では多臓器に粥腫塞栓がみられた腎硬化症
第62回日本透析医学会学術集会 2017年6月16日 横浜市
藪崎さつき 腎移植について、知識・意識を高める取り組み～パンフレット配布後に、アンケート調査をおこなって～
第20回日本腎不全看護学会学術集会 2017年10月21日 盛岡市
関浩道 当院における透析患者の腎移植に関する動向
第65回長野県透析研究会学術集会 2017年11月12日 松本市
関浩道 カルシフィラキシスによる両下腿難治性皮膚潰瘍の1例
第65回長野県透析研究会学術集会 2017年11月12日 松本市
久保田裕子 当院の腎移植への取り組み～アンケート調査を実施して～
第65回長野県透析研究会学術集会 2017年11月12日 松本市
小口智雅 吻合部瘤切除後のAVF再建で縫縮術を同時におこなった症例
第16回信州バスキュラーアクセス研究会 2017年12月3日 松本市
白鳥勝子 ソアサム症候群を合併した３症例
第16回信州バスキュラーアクセス研究会 2017年12月3日 松本市
＜講演＞
小口智雅 腎臓の病気と治療
相澤病院市民講座 2017年12月12日 松本市
小口智雅 透析室と透析を受けている方の災害対策
上伊那透析連絡協議会講演会 2017年11月9日 伊那市
＜座長＞
小口智雅
第10回信州透析フットケア研究会 2017年6月24日 松本市
宮島誠
第10回信州透析フットケア研究会 2017年6月24日 松本市
白鳥勝子
第16回信州バスキュラーアクセス研究会 2017年12月3日 松本市
植木博子
第65回長野県透析研究会学術集会 2017年11月12日 松本市
小口智雅
第65回長野県透析研究会学術集会 2017年11月12日 松本市
戸田滋
第63回信州腎セミナー 2018年3月17日 松本市