検査科

科長　中野聡

1．ビジョン

　国際基準に合致した医療品質を獲得すると共に、専門資格を有する職員を継続的に育成することで、医師に正確且つ迅速な検査結果報告を提供し、診断・治療の支援を行う。

　臨床検査室認定資格である国際規格 ISO15189 の認定取得を目指し、国際基準の医療品質を獲得・継続させる。

2．サービス内容

365日24時間緊急対応可能な体制で臨床検査を行っており、質の高い適切な臨床検査データを提供するために専門スタッフ育成に取り組んでいる。

Ⅰ共通業務

〈緊急検査対応〉

1. 土曜日、休日および夜間は2名以上の検査技師による緊急検査実施
2. 緊急・至急検査依頼に対する迅速報告
3. パニック値報告

〈採血業務〉

1. 外来患者：8時より17時40分まで検査科採血室にて外来採血担当技師が実施、混雑に応じて3名から6名で対応（採血受付は専任事務員1名および臨床検査技師が担当）
2. 入院患者：①病棟採血で使用する採血管の事前準備
   　　　　　②ICU、SCU以外で、緊急、至急、空腹時採血など看護師が採血する患者を除いた病棟採血業務（病棟採血担当技師が病室にて採血）

〈検査結果報告に関すること〉

1. 検査手順に従い、実施した検査結果を依頼医に報告する。この際、臨床情報などを元に結果を判断する。
2. 検査報告は、緊急・至急・通常検査依頼に応じた規定時間内の報告を実施する。
3. パニック値が認められた場合は、規程に従い依頼医への報告とカルテ記載を実施、医師がパニック値対応されていることを確認する。
4. 検査装置の不備などで結果報告遅延が発生した場合は、電話などで依頼科に連絡すると共に、院内PCに遅延に関する情報提供を行う。

Ⅱ専門業務

〈検体検査〉

1. 生化学、血液、免疫血清検査の各専用装置の内部精度管理（毎日実施）
2. 血液像・骨髄像判読
3. 外部精度管理事業（日本医師会、日本臨床衛生検査技師会、長野県医師会、メーカーサーベイなど）への参加と、問題が発生した項目について原因分析と対応策立案・改善
4. 365日24時間、緊急・至急検査を迅速且つ正確に報告するための検査装置管理および検査科職員の教育
5. 治験検体：治験協力者会議や治験依頼者の企業担当者、治験コーディネータと検体処理方法やスケジュール調整と採血後の検体処理
6. 院内各部署に設置された血液ガス分析装置の精度管理、機器管理、データ管理
7. 外来、病棟に設置された院内簡易血糖測定装置の点検・精度管理の実施

〈輸血関連業務〉

（夜間・休日）

夜勤者・休日勤務者の交差試験、血液型、不規則抗体検査、血液製剤依頼・払出し・在庫管理

（平日）

専任臨床検査技師が以下の業務を行う。

1. 不規則抗体同定検査・交差試験、血液型検査・血液型亜型検査
2. 血液製剤の依頼・払い出し・在庫管理
3. 自己血採血の補助、自己血製剤の管理、交差試験、払出し
4. 輸血後感染症検査の推進
5. 血液製剤廃棄率、診療科別使用状況、適正使用逸脱、副作用発生と対応の把握および遡及調査など当院輸血安全規程モニタリング項目のチェックおよび血液製剤に関する委員会への報告
6. 「輸血安全管理規程」に基づいた輸血関連検査、血液製剤管理、適正使用に関する医師への指導、安全な輸血実施のための臨床検査技師、看護師、医師への教育
7. 輸血検査装置の内部精度管理（毎日実施）
8. 外部精度管理事業（日本臨床衛生検査技師会、長野県医師会など）への参加と、問題が発生した項目について原因分析と対応策立案・改善
9. 研修医指導

〈一般・細菌検査〉

1. 尿検査、便潜血検査、細菌培養、遺伝子検査の各専用装置の内部精度管理（毎日実施）
2. 外部精度管理事業（日本医師会、日本臨床衛生検査技師会、長野県医師会、メーカーサーベイなど）への参加と、問題が発生した項目について原因分析と対応策立案・改善
3. 一般検査項目：尿検査、便検査、インフルエンザ、ノロウイルスなど各種ウイルス検査、妊娠反応検査　他
4. 遺伝子検査：抗酸菌（結核菌、非定型抗酸菌）PCR検査
5. 細菌検査：血液培養、一般細菌培養検査（尿、喀痰その他の検体）、薬剤感受性検査
6. 感染対策委員会へ特定の耐性菌分離率、病棟別の主要菌・特定耐性菌の分離患者数などの報告
7. 研修医へのグラム染色指導

〈病理検査〉

1. 病理検査で使用する各専用装置の内部精度管理（毎日実施）
2. 外部精度管理事業（日本臨床衛生検査技師会、日本病理精度保証機構など）への参加と、問題が発生した項目についての原因分析と対応策立案・改善
3. 細胞検査：細胞診標本作製、細胞診断（健康センター検診（婦人科、肺がん）のスクリーニング、穿刺検体での病変診断、婦人科、尿、喀痰検体のスクリーニングなど）
4. 組織検査：手術検体処理、写真撮影、生検・手術検体の標本作製
5. 術中迅速標本作製
6. 病理解剖：解剖補助、組織･細胞標本作製
7. 各種遺伝子検査用標本作製
8. 患者紹介に伴う病理標本作製、標本貸し出し業務
9. 標本、ブロック等の管理
10. 多職種合同カンファレンスにおける資料準備、病理・細胞像提示
11. 研修医、後期研修医、その他研修受け入れ・指導

〈生理検査〉

1. 生理検査で使用する各専用装置の内部精度管理（毎日実施）
2. 外部精度管理事業（日本臨床衛生検査技師会、長野県医師会など）への参加と、問題が発生した項目についての原因分析と対応策立案・改善
3. 生理検査：心電図、脳波、神経生理検査、呼吸機能検査、聴力検査、トレッドミル等
4. 心カテ検査・治療におけるポリグラフ操作
5. 超音波検査：循環器、消化器、乳腺・甲状腺などの超音波検査全般
6. 脳外科、整形外科における術中神経伝導モニタリング検査
7. 睡眠時無呼吸症候群治療センター外来患者の予約管理、検査説明、PSG検査
8. 生理検査室および院内各部署やドクターカーで使用している検査機器（超音波検査装置、心電計、筋電計、ポリグラフなど）の保守点検
9. 地域医療機関への超音波検査出向業務
10. 検査科職員や看護師、研修医への心電図検査手技および判読指導
11. 研修医への超音波検査指導
12. 相澤東病院への出向業務（心電図、超音波検査）

Ⅲ支援業務関連

1. 栄養サポートチーム（NST）
2. 感染制御チーム（ICT）
3. 糖尿病療養支援チーム
4. 呼吸サポートチーム

3．構成・提供体制

1. 役職状況：科長1名、主任6名
2. 職種状況：臨床検査技師（常勤・時短）　43名、臨床検査技師（パート）　4名、事務（パート）　2名

＜資格＞

細胞検査士　7名、国際細胞検査士　4名、認定微生物検査士　2名、認定心電技師　2名、感染制御認定臨床微生物検査技師　2名、認定輸血検査技師　2名、糖尿病療養指導士　4名、NST専門療法士　3名、超音波検査士　9名（循環器：7名　消化器：6名　体表：4名　健診：2名）、特定化学物質作業主任者　3名、有機溶剤作業主任者　4名、緊急検査士　9名、2級臨床検査士（病理）6名、2級臨床検査士（微生物）6名、2級臨床検査士（循環生理）6名、2級臨床検査士（神経生理）2名、2級臨床検査士（呼吸器）3名、2級臨床検査士（血液）1名、消化器内視鏡技師　1名、健康食品管理士　3名、第2種ME技術者　1名、上級バイオ技術者　1名、食品衛生監視員　1名、日本臨床神経生理学会認定技術師（脳波分野）1名、第1種衛生管理者　1名、衛生工学衛生管理者　1名、病院経営管理士　1名

4．設備・機器

＜主要設備＞

採血室、超音波検査室　5室、病理切出し室（局所排気装置）、病理作業室（局所排気装置）、解剖室、細菌検査室（局所排気装置）、終夜睡眠ポリグラフ検査室　2室、血液製剤搬送ダムウェーター（手術センター用）、病理検体搬送ダムウエーター（手術センター用）

＜主要機器＞

腹部超音波診断装置　3台、心臓超音波診断装置　3台、脳波計　2台、多機能心電計　3台、誘発電位測定装置　1台、血圧脈波測定装置　1台、肺機能測定システム　1台、ホルター心電図解析装置　1台、ホルター心電計　5台、運動負荷試験システム　1台、終夜睡眠ポリグラフ　2台、血液凝固線溶測定装置　1台、血液ガス電解質分析装置　1台、多項目自動血球分析装置　2台、生化学自動分析装置　2台、自動免疫検査装置　2台、血糖分析装置　1台、HbA1c分析装置　1台、全自動血液培養検査装置　1台、尿定性分析装置　1台、便潜血分析装置　1台、細菌培養検査装置　1台、遺伝子検査装置　1台、ディスカッション顕微鏡(10人用)　1台、自動包埋装置　1台、クリオスタット　2台、自動染色装置　2台、自動免疫染色装置　1台、採血管準備システム　1台、自動輸血検査装置　1台、免疫吸光測定装置　1台

5．実績

6．学術・研修

＜学会発表＞

布野　涼子.　当院の睡眠時無呼吸治療センターでの検査技師の取り組み.

第17回信州SAS研究会,2017年6月3日,長野県松本市.

原　博明.　当院における輸血時患者認証および製剤出庫後の保管状況と輸血検査室の取り組み.

第66回日本医学検査学会,2017年6月17、18日,千葉県幕張市.

高山　政幸.　当院における採血業務－病棟採血－.

長野県臨床検査技師会中信支部講習会,2017年7月1日,長野県松本市.

原　博明.　当院における災害時輸血マニュアル作成の取り組み.

輸血療法に関わる医療職を対象とした第3回サマーセミナー,2017年7月29日,長野県松本市.　

山本　みどり.　 記憶に残った大動脈疾患の3症例.

第6回中信循環器カンファレンス,2017年10月16日,長野県松本市.

丸山　希望.　 分娩を契機に一過性の心筋障害を来した症例.

第54回関甲信首都圏支部医学検査学会,2017年10月29日,埼玉県さいたま市.

唐澤　枝里子.　PIVKA-Ⅱ測定の院内導入に伴う従来法とCLIA法の比較.

第42回長野県臨床検査学会,2017年12月3日,長野県松本市.

山口　あづ美.　 下肢静脈エコーで発見された深部静脈血栓症の調査.

第42回長野県臨床検査学会,2017年12月3日,長野県松本市.

小倉　和幸.　StageⅣ原発不明癌として発見されアレクチニブが著効した若年性肺癌の一例.

第32回長野県臨床細胞学会総会・学術集会,2018年3月11日,長野県松本市.

＜講師＞

原　博明. 輸血検査の基礎を学ぼう（不規則抗体検査編）.

第2回　中信地区輸血検査研究班研修会,　2017年5月30日,　長野県松本市.

山田　崇弘.　糖尿病に関する検査データの見方・読み方.

相澤病院糖尿病教室,2017年9月9日,長野県松本市.

小倉　和幸、加藤　昌希.　細胞診断指導.

H.29年度細胞診初心者講習会,2017年9月24日,長野県松本市.